はじめに
「フィルダースチョイスって何のこと?」「打数に入る?打点はつく?エラーとの違いは?」
野球のスコアブックや中継を見ていて「FC(野選)」という表記を見たとき、こんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか?
フィルダースチョイスは、野球の記録ルールの中でも特に誤解されやすい用語です。打撃成績や投手成績にも影響を与える重要なプレーなのに、意外と正確に理解されていないのが現状です。
この記事では、フィルダースチョイスの定義から、打数・打点・自責点・エラーとの関係、具体的な記録処理までを初心者にもわかりやすく徹底解説します。
フィルダースチョイスとは?定義と基本ルール
ドジャースvsホワイトソックス。
3回裏、大谷四球、ベッツの当たりがフィルダースチョイス。無死1-2塁で、フリーマンが2点タイムリー!
これは、逆らわない見事なバッティングでしたねhttps://t.co/17gCuiFxlR
— 中田イチロー (@DcSerio) July 4, 2025
フィルダースチョイスの意味
フィルダースチョイス(fielder’s choice/略称:FC)は、日本語では「野手選択」「野選」と呼ばれます。
その名の通り、「守備側がどの塁に送球するかを選んだ結果、打者が生き残る」プレーを指します。
例えば:
- 無死一塁、打者がショートゴロ → 遊撃手が二塁封殺 → 打者は一塁に到達
このとき、打者は安打ではなくフィルダースチョイスによる出塁と記録されます。
どういうときにFCになる?
- 守備側が打者ではなく、進塁中の他の走者をアウトにしようとして送球
- 結果的にどの走者もアウトにできなかった(オールセーフ)
- 守備選択がなければ打者がアウトになっていたと判断されるケース
フィルダースチョイスは打撃成績にどう関係する?
打数には入る?→「入る」
フィルダースチョイスは、打者に打数1としてカウントされます。
ただし安打ではないため、打率を下げる要因となります。
打点はつく?→「得点が入ればつく」
FCの打席で、走者がホームに生還すれば、打点が記録されます。
ただし、失策やボークなど他の要因で得点が入った場合は、スコアラーの判断により記録されないこともあります。
投手成績への影響:自責点はどう扱われる?
FCで出塁した走者が得点した場合
→ その得点は投手の自責点に含まれます。
FCはエラーではなく、守備の判断によって出塁が許されたため、「投手の責任」とみなされます。
守備記録との関係:エラーとの違いは?
エラー(E)はどういうもの?
エラー(失策)は、守備側が通常なら処理できるプレーを失敗した場合に記録されます。
FCとエラーの違いを比較
項目 | フィルダースチョイス(FC) | エラー(E) |
---|---|---|
出塁理由 | 守備の選択 | 守備の明確なミス |
打数 | カウントされる | カウントされる |
安打 | 記録されない | 記録されない |
打点 | 得点が入れば記録 | 同様に記録 |
自責点 | 含まれる | 原則含まれない |
記録表記 | FCまたは野選 | E+ポジション番号(例:E6) |
実例で学ぶ!フィルダースチョイスのケーススタディ
ケース1:二塁封殺狙いで打者セーフ
走者一塁、打者がショートゴロ → 守備が二塁送球 → 一塁は間に合わず打者セーフ
- 打数:+1
- 安打:×
- 打点:走者が還れば記録
- 自責点:得点が入れば含まれる
ケース2:エラーによる出塁
遊撃手の悪送球で打者出塁 → E6記録 → 投手自責点には含まれない
ケース3:満塁で守備が選択ミス → 全員セーフ
内野ゴロで本塁封殺狙い → セーフ → FC記録 → 得点が入れば打点と自責点がつく
なぜ「自責点に含まれるのか」もう一度整理
- エラー:守備の明確なミス → 投手責任ではない
- FC:守備の選択による判断 → 投手責任とみなされる
スコアブックではどう書く?
- FC:例)6-4 FC(ショート→セカンド)
- FC-E:記録上はFCが優先、エラーが絡んだら補足されることもある
よくある質問(Q&A)
Q. FCでもヒットになることってある?
→ 基本的にはありません。ただし守備に選択の余地がない場合など、ごくまれにヒットになるケースもあります。
Q. FCで出塁後に盗塁したらどうなる?
→ 通常の盗塁として記録されます。
Q. 打点がつくのはどんなとき?
→ 得点が打者の打球によるものと判断されれば、打点は通常通り記録されます。
まとめ
フィルダースチョイス(fielder’s choice)は、守備側の“選択”によって打者が出塁するプレーで、打撃・投手成績の両方に影響します。
- 打数:加算される(安打ではない)
- 打点:走者が得点すれば記録
- 自責点:得点が入れば投手責任
- エラーとは異なる守備記録
この違いを理解しておくだけで、スコア表の見方が深まり、試合観戦の楽しみが増すこと間違いなしです。
ぜひスコアの中の「FC」表記を見つけたら、今回学んだ内容を思い出してみてください。